お仕事ドラマ
日本のドラマには、職場そのものを主役にする系譜があります。事件も恋も起きなくていい。その仕事が毎日どう回っているのかを見せるだけで、一本になる。
この帯の面白いところは、作品がその時代の働き方をほとんど同時進行で映してしまうことです。『ハケンの品格』(2007)は派遣という働き方が広がった時期に、あえて誰よりも有能な派遣社員を主人公に置きました。『わたし、定時で帰ります。』(2019)は、働き方改革という言葉が制度になった年に、定時で帰ることを物語の中心に据えます。十年ちょっとのあいだに、日本の職場で何が問題とされていたのかが、そのまま二本のタイトルに出ている。
隣の「日曜劇場と組織の逆襲」との違いは、勝ち負けの有無です。あちらは組織に言い返して勝つ話。こちらは、勝たなくても明日また出勤する人の話。逆襲されない側の日常を、それでも面白く見せられるかという挑戦がここにあります。