配信の日本ドラマ
2019年の『全裸監督』は、地上波では扱いにくい題材を正面から撮りました。公開時の会見で、玉山鉄二はこう言っています——「近年はコンプライアンスの影響で自主規制が多くて、俺たち役者も正直ちょっと窮屈さを感じていました」。山田孝之のほうは、届け方の違いを冷静に説明しました。「テレビドラマとは違ってNetflix作品なので観たい人が観るので。自分でチャンネルを選んで観ていただく作品なので、あるべき姿だと僕は思います」。茶の間に流れてくるものと、自分で選んで開くもの。この違いが、作れるものを変えました。
それから数年で、日本のドラマは世界の週間ランキングの常連になります。Netflixが公開している週ごとのデータを数えると、日本の実写シリーズは20タイトル以上が非英語のグローバル・トップ10に入っていて、そのうち4本は1位まで行きました——『今際の国のアリス』のシーズン2とシーズン3、『忍びの家』、『イクサガミ』。『地面師たち』は5週連続でトップ10に入り、最高2位です。
ここで、この地図は正直な線を引いておきます。週間のランキングと、歴代の規模は別の話です。 Netflixが公表している「これまででいちばん観られた非英語シリーズ」の上位十本に、日本の作品は一本も入っていません。上位はイカゲームやペーパー・ハウスが占めています。日本のドラマは毎週のように世界の棚に並ぶようになったけれど、桁のちがう爆発はまだ起きていない——それが2026年時点の正確な姿です。悲観する話ではなく、伸びしろがどこにあるかの地図です。
もうひとつ、この帯には新しい現象があります。配信発のセリフが流行語になりはじめたこと。『地面師たち』の「もうええでしょう」は、演じたピエール瀧の役の口ぐせで、Netflixの公式アカウント自身が切り出して広めました。茶の間の外側に、新しい茶の間ができています。