スペクタクルの時代
『ゲーム・オブ・スローンズ』がしたのは、テレビを世界同時の行事にしたことでした。エミー賞は59回受賞・159回ノミネート。数字の上でも、テレビ史の頂点のひとつです。
最終話の視聴者数は、この地図の「単位」の話の格好の教材になります。HBOの発表では1,930万人。ただしこれは本放送とHBO Go・HBO Nowを合わせた数で、本放送そのものは1,360万人でした。さらにシーズン8は「1話あたり平均4,420万人」とも発表されていますが、こちらは再放送や見逃し配信を積み上げた延べの数です。三つとも正しくて、三つとも別の物差し。数字を並べるときは、どれを測ったのかを一緒に言わないと意味が変わってしまいます。
そしてこの作品は、終わり方でも歴史に残りました。最終章の脚本に対して、作り直しを求めるオンライン署名が170万筆を超えたのです。これほど多くの人が同じ物語の結末に本気で怒ったこと自体が、テレビがどこまで来たかの証拠でもあります。局は作り直しを否定しました。
物量の系譜は『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』へ、そして題材を変えて『THE LAST OF US』(→リミテッドの復権)へ続いていきます。