家族の定点観測
『北の国から』は1981年に全24話の連続ドラマとして始まり、そのあと八本のスペシャルで2002年までつづきました。二十一年です。
この作品がやったことは、たぶんテレビにしかできません。純と蛍を演じた吉岡秀隆と中嶋朋子は、小学生のうちに撮影を始めて、大人になるまで同じ役を続けました。子役が「成長した設定」になるのではなく、本当に成長していく。物語の時間と、俳優の人生の時間と、観ている人の二十一年が、同じ速さで進んでいきます。
連続ドラマは終わりを決めて作るもので、リミテッドシリーズ(→リミテッドの復権)はその形をいちばん贅沢に使った例でした。この作品は逆です。終わらせずに、間隔を空けて戻ってくる。次に会うのは二年後か三年後で、そのあいだに彼らは本当に歳を取っている。物語というより、定点観測に近い。
倉本聰が北海道の富良野で書きつづけたこの二十一年は、「家族を描く」ことの、日本のドラマが出したいちばん長い答えのひとつです。